読み終えたくない!至福の読書時間『ロゴスの市』乙川優三郎

ロゴスの市 (文芸書)

 

読み終えるのがもったいない

という一冊。

 

Amazon内容紹介

至福の読書時間を約束します。乙川文学の新しい姿がここに!
昭和55年、弘之と悠子は、大学のキャンバスで出会う。翻訳家と同時通訳として言葉の海に漂い、二人は闘い、愛し合い、そしてすれ違う。数十年の歳月をかけて、切なく通い会う男と女。運命は苛酷で、哀しくやさしい。異なる言語を日本語に翻訳するせめぎ合い、そして、男と女の意表をつく、”ある愛のかたち”とは!? 二人が辿る人生の行く末は! 傑作恋愛小説。

 

最近 個人的に翻訳に興味を持って(図書館司書はどうした?!)

小説で翻訳家が主人公の本を探してみたら

ばったり出会った本書。

 

翻訳家の主人公と同時通訳の女性との恋のお話。

 

と言っても!

 

乙川さんのストーリーの運びが絶妙で

ドロドロしていない、静かな恋愛小説。

 

気が強くて、自分の運命を自ら切り開く女性に
翻弄されながらも
優しく包み込むように愛情を温める主人公。

 

ちょっと前に読んだ

恋愛小説だけど 読了。 先日 読み途中で書いた記事 http://book-holic.com/ranking/post-1365/ その後、すぐに展開が予想外

の大人の恋愛小説にちょっと似てる雰囲気。

 

相手の幸福を願うばかりに
自分の気持ちを強くぶつけず
それが故に一緒になれない二人。

 

若気の至りとか
不器用とか

 

そんなんじゃなくて、

 

この本であれば、お互いの職業が
それぞれのアイデンティティーであり

それが故に、一緒になることが選択肢として
こぼれ落ちてしまっている。

 

ネタバレになっちゃうけど
最後の最後にちょっとびっくりなサプライズがあって

 

きちんと伏線は貼ってあったのかもしれないけど
わたしは気づかなかったので
しっかりと驚くべきところで驚けた。

 

この小説の何がいいって
語られる日本語が意識的に美しいこと。

 

言葉がとてつもなく厄介なもので
だけど、若い頃からずっとそれに魅了され
2つの言語の間で戦い続ける二人の会話が
面白いのだ。

あぁ〜 もう読み終わりそうだなって時に

ふと奥付みたら

発行年が2015年になって びっくり!

わたし、勝手に55年を舞台にしたお話なので
もう30年とか前に書かれたものだと思ってた。

ジャケとかも昭和の頃の翻訳本みたい。

 

ちょっと気になった点といえば

主人公が相手の女性のポニーテールを描写するシーンと
ロゴスという単語が
いまいち、わたしの中でしっくりこなかった。

ポニーテールってしてる人少ないし
いまいち知的な女性とイメージが合わない。

あと、ロゴスって

翻訳家と通訳家のお話だから
ギリシア語かな?言葉とか論理って意味っぽい。

もうちょっと、親しみのある単語にするか
ロゴスという単語が文中に馴染みよく出てくると良かったかな。

 

でも そんなもん。気になったところは。

それ以外は、作者が全面的に出てきて

何か風刺をしたり、偏った意見を主張したりしないし

主人公ものんびり屋さんで、少し読者をイライラさせるんだけど

それも物語をうまくバランス良くしている。

 

途中、フランクフルトでのブックフェアの様子が2回出てくるんだけど

それが本好きのわたしとしては何とも魅力的で

世界中の本が一堂に会す催し、いつか行ってみたいなって思った。

 

わたし、本書で初めて乙川さんを知った。

いい作家さん見ぃ〜つけた!って感じ。

 

 

おまけ

本書、「芝木好子」さんの文章の美しさを讃える箇所がある。

そういえば、読んでみようと思ってて読めてなかったので
本探してみよう。

芝木好子さんは、本好きの人は
オススメする人が多い。

向田邦子や幸田文など
文章が上手な昭和の女流作家。

最近、最注目しております!

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